(訳注 372) ヘキサスタイル hexastyle
<六柱式>の意。ギリシャ・ロ−マの古代の神殿又は神殿風の建物の一形式で 前後面の一方又は両方に 6 本の円柱の立っている様式を言う。ギリシャ語はヘクサステユロス hexastylos である。
(訳注 373) テユムパナム tympanum ( page 42 図 05 参照)
タイパン tympan(フランス語)又はテユンパノン tympanon(ギリシャ語)とも言う。<破風>の意で、古典様式の建築では 破風の内側に引っ込んだ面を指し、水平のコルニスと傾斜したレ−キング・コルニス(登り蛇腹)とによって囲まれた三角形の切り妻壁を言う。円弧形のものもあり、一般に彫刻で飾られる。テユムパナ tympana はその複数形。
(訳注 374) エンタブレイチュア entabrature
<長押>の意。柱頭の上の柱によって支えられる水平材で 古典建築では 上からコルニス cornice(軒蛇腹)フリ−ズ frieze 、ア−キトレイブ architrave(台輪)の 3 部より成る。
(訳注 375) サイマ− sima ( page 42 図 05 参照)
<冠刳形>。ギリシャ神殿で コルニスの最上部に設けられる突き出した雨樋状の部分を言う。その断面の形状から<サイマ・レクタ cyma recta - 表反面>とも言う。
(訳注 376) コフア− coffer
<格間(こうま)>。格天井(寸角の格縁を縦横に組み合わせ 裏板を張った天井)又は組み入れ天井において縦横に渡された格縁の間に生ずる正方形の空間を言う。(裏から鏡板を張る。)格天井は視覚的には 重量感を特徴とするが、構造的には 天井を一層軽いものにする役割りを果たしている。
(訳注 377) ア−キトレイブ architrave ( page 42 図 05 参照)
<軒縁><台輪>の意。ギリシャ・ロ−マの古典建築のエンタブレイチュア entabra-ture(上からコルニス cornice、フリ−ズ、ア−キトレイブの 3 部より成る。)の最下部を構成する水平の部分。本来は木構造の桁に相当し 柱の上に載ったものである。ギリシャ語では エピステユリオン epistylion と呼ぶ。
(訳注 378) ステユロベイト stylobate ( page 42 図 05 参照)
古代神殿の<基台床>で 基礎となる切り石積み−ステレオベイト stereobate (訳注 403)の最上段で床をなし、列柱を立てる土台となる連続した台石床である。
(訳注 379) イン アンテイス in antis ( page 43 図 06 参照)
ギリシャ神殿の最古の形式で、ケラ cella の壁が 前面に突き出して出来る壁端柱(アンタ anta)の間に 通常 2 本の円柱が立てられて、プロナオスが形作られている。この形式をケラの背後で繰り返して オピストドモスが設けられているものを、二重イン・アンテイスと呼ぶ。
(訳注 380) スキュロス島 Skyros ( page 41 図 04 参照)
トロイ戦争に出陣すれば 戦死することを知っていた母のテテイス Tethis が、アキレウス Achilleus を女装させて、イッサ Issa 又はピュラ Pyrrha の名でこの島の王リュコメデス Lykomedes の娘たちと共に置いたとされる。
(訳注 381) アキレウス Achilleus
ホメロスの<イリアド>の主人公で、プテイア Phthia 王ペレウス Peleus と海の女神テテイス Tethis との子である。心やさしくはあるが 怒れば狂暴なギリシャの英雄とされる。ケンタウル族の智者ケイロンに教育された。トロイ戦争では親友のパトロクロス Patroklos の死に激怒し ヘクト−ルを斃したが、パリス Paris の射た矢が 唯一の弱点の踵に当たって死んだとされる。
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