1) コロネ−ド(列柱廊)
○ 古代人はこの列柱廊を <翼>と呼んでいる。 46 本の外円柱が 隅の 4 本の円柱を除いて 等間隔に立っていて、幅 2.27 m.のポルテイコ(柱廊玄関)を形作っている。足下では 彫り込みの付いた大理石の厚板が 舗装した上を覆っている。
○ コロネ−ドの背面は ケラの壁面になっており、コロネ−ドが正に ケラを内に包み込むという役割を果たしている。古代神殿ではコロネ−ドはすべて こういう形を採っていた。円柱が上の方に行くにつれて細くなっていることの結果として、コロネ−ドを見透かすと 下の方が狭くて 上にゆく程広くなるという ダイナミックな空間が出来上がっているのが見られる。
2) プロナオス(前房)
○ 東正面では コロネ−ドの幅が 2.86 m.とやや拡がり 壁面も後ろに下がっていて、6 本のドリア式円柱から成るもう一列の柱列が その間に見られる。内側にあるこの 6 本の円柱は 外側の 8 本の円柱の土台より 70 cm.高い ポデイウム podium(訳注 424)の上に立っている。このようにして作り出された前面のポルテイコを プロナオスと呼んでいる。西正面にも 同じような構造を持つたポルテイコが付いていて、このパルテノン神殿は 東西両正面を持ったアムピプロステユレ(両向拝式)形式の神殿であった。
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