(訳注 605) ライア lyre
古代ギリシャの弦楽器の七弦の竪琴(リラ)をいう。音響室が鼈甲から成るのが特徴で、弦は 7 - 15 本位で、ばちで弾く。特に歌や吟唱の伴奏用に用いられた。
(訳注 606) ネオ・プラトニック Neo Platonic
哲学者プロテイノス Protinus が ロ−マ帝政末期のロ−マで復興した プラトン主義の哲学を呼ぶ。その教えが プラトンの真精神を伝えるもので、その開いた学校がプラトンのアカデメイアの再建・復興と見られた。アリストテレス、ストア派 Stoikoi などの諸哲学説や 東方の神秘的思弁を総合し 体系化した 汎神論的な神秘主義哲学である。
(訳注 607) メデア Medea
コルキス Kolchis 王 アイエテス Aietes とイデユイア Idyia との娘で、太陽神ヘリウス Helius の孫 キルケ Kirke の姪である。魔法に通じ その力でアルゴナウツの英雄たちと共に 彼女の国に金毛の羊革を取りに来た イアソン Iason を助けて成功させ、父の追跡を逃れて パイアケス Phaiakes 人の王 アルキノオス Alkinoos の宮殿で イアソンと結婚した。
(訳注 608) トライリ−ム trireme
古代の地中海で活躍した軍船の一つで、両舷側に上下 3 段に 最下層市民や奴隷を配置して漕がせた 所謂ガレ−船 galley である。順風時には帆走したが、戦闘ではオ−ルを使い、弓矢と接舷切り込みで 陸戦を水上に移した形で戦い、B.C.480 年には サラミスの海戦で 機動性を発揮して活躍し、ペルシャの大軍を破った。
(訳注 609) パラロス Paralos
<海辺の人>の意。アテナイ人で、軍船を発明した。このためアテナイの聖船の一つは <パラロスの船>と呼ばれた。
(訳注 610) デメテル女神 Demeter
クロノス Cronos とレア女神との娘で、穀物及び大地の生産物の女神。農業・結婚・社会秩序の女神とされ、弟のゼウス神との間の子が ペルセポネ女神で、娘と共にエレウシスを始め ギリシャ各地で祭られている。ロ−マ神話のケレ−ス Ceres に当たる。
(訳注 611) トリプトレモス Triptolemos
エレウシス Eleusis の王で ケレオス Keleos とメタネイラ Metaneira との長子。デメテル女神が彼の両親から 手厚いもてなしを受け、彼に種麦と木製の鋤と蛇の曳く竜車を与え 世界に派遣して、人類に農耕を教えさせた。帰国後 父から王位を継ぎ、女神の祭テスモポリア Thesmophoria を創設した。エレウシスの秘教では デメテル女神・コレ−に次いで 重要な位置を占める英雄である。
(訳注 612) シラクサイ Syracuse
B.C.8 世紀にコリントの植民都市として建設された。シシリ−島南東岸の港湾都市で、人口 10 万人弱。B.C.485 年僭主ゲロン Gelon の時 カルタゴと並ぶ都市に発展し、僭主ヒエロン一世 Hieron Tの時 アテネと並ぶ文化都市となったが、B.C.212 年 ロ−マに征服された。
(訳注 613) エウフラノ−ル Euphranor
B.C.4 世紀末のギリシャの彫刻家である。彫刻その他多方面に活躍し、均衡と賦彩についての著作がある。<マンテイネイア Mantineia の騎馬戦><テセウス>を描き、肉体表現を得意とした。
(訳注 614) 年下の方のプルタ−ク Plutach the younger
AD 61 年頃 - 113 年頃。大プルタ−クの甥で、法律家、著述家、演説家。トラヤヌス帝にコンスル consul 属州知事として仕えた。トラヤヌス、タキツス Tacitus に宛てた 10 巻に及ぶ手紙が有名で、自らその大部分を出版した。
( 242 ) |