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アクロポリス美術館
 
 

◎  No.0619 ア−ケイック期の 頭のないコレ−の像

○ イオニア式の技法で、恐らくサモス島のものであろう。曲げて 胸の辺りに持っていっている左手には、収蔵品 No.0677 のコレ−像と同様に 林檎を持っていたものであろう。塑造品というよりは 寧ろ建築物に近い感じを与える作品で、繊細な垂直の襞が 注目に値いするものである。その襞の配列は、他のコレ−像総べての襞の配列と違っている。B.C.6 世紀の第 1 四半期に作られた作品である。

◎  No.0003 牡馬を喰いちぎる 2 頭の獅子の破風彫刻

○ ポロス石(多孔性石灰石)で出来た 全幅 5.18 m.の ア−ケイック期の大きい破風彫刻の中央部分で、威風と力強さとに溢れた 獅子の像である。牡馬は前肢を折り 鼻面を地面に付けて 倒れている。牡馬の頭の前と後ろ脚とに 鋭い爪の付いた 2 頭の獅子の後ろ肢があり、肩と脇腹とには 2 頭の獅子の前肢の爪が喰い込んで、衰弱した牡馬を引き裂こうとしている。征服された 瀕死の牡馬の見せている 苦痛に充ちたこの劇的な表情が、特別なリアリズムで 非常に力強く描かれていて、その作風は 誠に印象的である。2 頭の獅子が、牡馬を中心にして左右対称に向かい合って 低いピラミッド形を作り、破風を飾っていたものと見られる。破損が甚だしいが、漆喰の化粧の上に 青や赤の原色の彩色が豊かに残っている。

○ このグル−プ像は B.C.570 - 566 年頃の作品であろう。恐らく B.C. 6 世紀の第 1 四半期に造営された エカトムペドン神殿と呼ばれている第一のパルテノン神殿の東破風の 中央部を形作っていたもので、第 2 室の収蔵品 No. 0035 の彫刻が その両側のコ−ナ−一ぱいに拡がっていたとされている。併し このグル−プ像は 古代アテネの七賢人の一人であったソロンの時代の B.C. 570 年頃に建っていた アテ−ナ女神の太古の神殿の破風を飾っていたとする意見もあり、明らかでない。

◎ No.0618 - 0620 大理石で出来た 王座に即いた女性の像が 2 つ

○ 現在残っているのは どちらも腰から下の部分だけである。アテ−ナ女神の像であるのか 人間の像であるのかは、判っていない。2 つの像の制作時期に 余り大きな差はなく、何れも B.C. 530 - 520 年の作であるに違いない。

○ No.0620 の方の像は キクラデス群島の作品で、均一な襞の付いた厚い外衣を着ており、その形式は一段と図式的ではあるが 胴体の表現は 豊かである。No.0618 の方の像は アテネの作品で、その両脚の表現から見ると より軽い織物の衣服を着ていることが判る。この像は その様子から見て、より気楽に座っているようである。

◎  No.4503 コルニス(軒蛇腹)のコ−ナ−の部分

○ どの建物であるのかは判っていないが、<ビルデイング A>と呼ばれている 多孔性石灰石で出来た ドリア式の建物の部分で、下から上へ順序に

 1) ドリア式のうねりを描いた絵の付いた ドアの脇柱の頂点部

 2) エピステユレ(台輪)

 3) コ−ナ−のトリグリュフ(三条竪筋溝)

 4) 絵の飾りの付いた 幾つかのゲイソン

 5) 破風の最初の部分

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