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アクロポリス美術館
 
 

◎  No.0565 収蔵品 No.0590 の馬の一部であった断片

○ 昔の彩色が可成り良く残り 特に馬の鼻孔のところに 良く残っている。鬣(たてがみ)の丹誠なことは 特筆に値いする。

◎  No.0617 コレ−の小さい頭部像

○ バンドを髪に着けていて、嘗てはそのバンドに 着色された装飾品が付いていた。三角形をした眼が やや斜めになり、口は下向きの弧状をしている。丸々として 表情に富んだ顔付きである。B.C.560 - 550 年の作品である。

◎  No.0654 骨張った形をした小さい頭部像

○ B.C.550 年頃の作品で、ア−モンド形の両眼が 斜めに置かれ、頬が斜めに引かれている。収蔵品 No.0590 のランパンの乗馬者の顔に 非常に良く似ている。

◎  No.0665 若者の立像のトルソ

○ ア−ケイック期に作られた大理石の大きい像で、像の高さは 96 cm.である。エレクテウム神殿の東で  1887 年に出土し、両足の残った台座も 後になって出土した。左手、左腕の断片なども 発見されている。像の前面は 火災で焼け爛れて 大きなダメイジを受けているが、右側面から背面は 良く残っていて、この作品が優れたものであることを示している。逞しい腕や 背面の力強く緊張した肉付けは、柔らかさを良く抑えて表現されており、輪郭のカ−ブは 驚くべき美しさである。

○ この若者像のモデリングは、国立美術館にある収蔵品 No. 1906 の ヴォロマンドラ Volomandra の像から 同じ美術館の収蔵品 No. 3851 の クロイソス Kroisos(訳注 572)の像に発展する過程にあり、側面のモデリングは 同収蔵品 No.0029 のアリステイオン Aristion の墓石に似ていて、このトルソ像は B.C.540 年頃に 巨匠フエイデイモス Phaidimos が作ったものであると推測されている。

◎  No.0669 娘の上半身像

○ 王冠を冠っており、その王冠には 小さい穴が開いていて、嘗てはそこに ブロンズの装飾品が付いていたことを示している。衣服の襞の表現技術は進歩したものであるにもかかわらず、顔には冷たさがあり、胸に垂れ下がっている巻き毛の表現には 硬さが見られる。B.C.540 年頃の作品である。

◎  No.0269 所謂<リヨンのコレ−>と呼ばれる女性の彫像

○ コレ−像の典型的な彫像である。手に鳩を持っていることから アフロデイテ女神の像と考える人もあるが、確かではない。下の方の部分だけが ア−ケイック期の大理石の原物であり、中央から上の部分は漆喰のコピ−像であって、原物はリヨンの美術館に展示されている。身体の丸い型に忠実に沿って 恰かもくっ付いているかの如く表現されている点に この衣服の構成の特徴が見られる。イオニア式の下着のキトンを着ているけれども、アテネの仕事場で B.C. 540 年頃に出来た作品である。

◎  No.0680 コレ−の略々完全な全身像

○ ア−ケイック期のコレ−像で その高さは 1.14 m.であり、焼けた跡がある。エレクテウム神殿の南西で  1886 年に出土した。ヒマテイオンとキトンとの縁の刺繍模様が 今でも良く残っていて、興味深いものである。少女は右手を伸ばして 林檎を持っている。左手では イオニア地方風のキトンを持ち上げている。この作品が アッテイカ地方のものか、島で出来たものかは、はっきりとは判っていない。大理石は島の産出のものである。B.C.530 年の作品とされるが、510 年頃とする人もあり、見解が一致していない。

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