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アクロポリス美術館
 
 

◎  No.0625 腰掛けているアテ−ナ女神のトルソ像

○ 島産の大理石で出来ていて、残念なことに頭部が欠けているが、像の高さは 殆ど 1.52 m.に達する。エレクテウム神殿の北の斜面から 1821 年に出土した。長年月に亘って 野天に置かれてあったものであろうことは、作品の表面の損傷からも 窺われる。エンドイオス Endoios が作り、カリアスであったと確信されている人物が奉献した アテ−ナ女神の像であって、パウサニアスがこの像を A D 2 世紀に アクロポリスの丘の上で見たとされている。作者のエンドイオスが アテネ人であったのか、それともイオニア人であったのかは、良く判っていない。

○ 女神は イオニア式の長い下着のキトンを着ており、そのキトンには平行の襞が 厚く起伏を見せている。胸の中央の所に ゴルゴネイオンの付いた女神の神盾のイ−ジスがあって、胸と背を覆っている。イ−ジスの周りに見える穴には ブロンズ製の蛇の装飾が付いていた。女神の右腕は 身体の線に沿って 後方に向かって伸ばし、足は反対の方向に 少し回っている。気軽に腰掛けた姿勢ではあるが、右足を後ろに引いて 身体が緊張しており、恰かも 女神が立ち上がろうとしているかの如くである。

◎  No.0643 ア−ケイック期の コレ−の頭部像

○ パロス島の大理石で出来ていて、像の高さは 14 cm.である。B.C.6 世紀末に近い 510 年頃に作られた 独特な美しさと柔らかさを持った アッテイカ地方の彫刻の傑作の一つである。顔の柔軟さが特に目立ち、皮膚の出来映えは繊細で 生気に震えることのない面を少しも失っていない。表情は独特で、苦みを含んで 悲しみと喜びとを同時に見せている 一風変わった微笑が、魅惑的な思慮深さと混じり合っている。その輪郭にも ベルベットのような皮膚にも 表情に溢れた両眼にも 目立っている両頬骨にも 微笑をたたえた顔にも、その巧みな技巧が示されていて、並外れて魅力的な個性を創り出している。今に残る この期のコレ−像としては 最も美しい頭部像で、黄色の古錆が出ている。

◎  No.0121 アテ−ナ女神を表した 浮き彫りの下の部分

○ アテ−ナ女神を表わした プロマコス Promachos タイプの浮き彫りで、左の扉柱にある。B.C.510 年頃の後期ア−ケイック期の 装飾的な作品である。

◎  No.0629 小さい像

○ 椅子に腰掛けた書記の像であろうことは 略々間違いない。ギリシャ芸術では このような像は余り見掛けられない。エジプトの影響が残っていて、特にその表現の硬さに それが一番はっきりと見られている。

◎  No.0581 浮き彫りのある献納物

○ B.C.500 年頃の作品であるが、もっと後期の作品と考える人もある。信者たちの献納物を受け取っている女神(恐らくアテ−ナ女神と思われる)が、人間より丈高に表現されている。家族中のものが 恭しい態度で前に進んでおり、女神自身との接触を心に描いた場面であることは 言うまでもない。作品は優雅であるが、装飾に わざとらしいマンネリズムが見られる。

◎  No.0595 頭部のない コレ−像

○ イオニア式の 下着のキトンと外衣のヒマテイオンとを着ているが、その衣服が 両脚にぴったりとくっ付いているために、肉付きの線が はっきりと見られるし、膨ら脛の痕跡も 正確に判る。B.C.500 年頃に キクラデス群島で作られた作品である。

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