◎ No.1340 大理石で出来た厚板の右隅
○ 馬の頭の浮き彫りが見られる。B.C.6 世紀の終り頃の作品である。
◎ No.0696 コレ−の美しい頭部像
○ ペンテリコス山産の 純白の大理石で出来ていて、像の高さは 27.5 cm.である。 B.C. 500 年頃の作品である。
○ 等身大よりやや大きい頭部像で、顔の左側は顳 (こめかみ)から顎にかけて 可成り大きく欠けている。この作品は 豊熟したア−ケイック期から 新しいクラシカル期に移る境目に位置付けられ、大掴みな骨相、単純な波形の頭髪、眉や 瞼や 唇の輪郭などが、はっきりした弧を描いて 鋭く刻まれていて、新しい様式への胎動が 充分に感じ取れる。水平に配された眉の鋭い線と 様式化された頭髪の線とに 幾分かの硬さが見られていて、像に厳しい表情を与えており、この美術館の収蔵品 No.686 のエウテユデイコス Euthydicus の奉献した像の先駆けとなるものである。
○ 色の付いた花で飾られた ポロスと呼ばれる 高い帯状の頭飾りを付けており、容貌に具わる威厳と 等身大を超えるその大きさから見れば、この像は アルテミス女神か 又はアフロデイテ女神の像であったのかも知れない。
◎ No.0700 馬と その乗馬者の両足の像
○ ペンテリコス山産の大理石で出来ていて、その高さは 1.12 m.長さは 79 cm.である。B.C.500 年頃の作品で、エレクテウム神殿の東で 1887 年に出土した。
○ ラムパンの乗馬者より 馬のやや後ろ目に跨がり、左足がとても楽な姿勢をしていて 柔らかさに溢れているのは、驚嘆すべきことである。足指の肉付きが 繊細で美しい。サンダルは 底だけが刻まれ、紐は褐色の絵の具で描かれていた。腿に置かれた左手には、銅で出来た手綱を握っていた孔が 穿たれている。
○ 馬は堂々としていて 骨格が力強く、背や胸 それに尻の部分には、活気溢れる貌が良く表わされている。しなやかな首に 図式的な鬣(たてがみ)が加えられることによって、特別に上品な感じが出ている。この鬣は 入念に緩いカ−ブで表現されており、恰かも鶏冠(とさか)のように耳の間を通って 額の方に向かって突っ立っている。馬の口辺、顎の後ろの図式的小皺や 人間のような二重瞼の眼などは、この頃の馬の彫像の特色を示している。このア−ケイック期の馬は 上品で高慢なポ−ズを採っていて、パンアテナイア祭の乗馬競走や騎馬行列が行われた ペイシストラトス一門の あの華麗なものを愛した年代を 心に思い起こさせる。これらの騎馬者の彫刻物は フイデイアスの作ったあのパルテノン神殿のフリ−ズ(帯状彫刻)の中で その完成の極致に到達したのであった。
◎ No.0136 アテ−ナ女神の彫像の 下半身部分像
○ パロス島産の大理石で出来ていて、花形柱頭の形をした 土台の上に立っている。<女神の足は ア−ケイック期の総べての彫刻品の中で 飛び抜けて優れたものであって、この点から この彫像は素晴らしい傑作であると 結論付けて間違いない。>と ペインが述べている。色の着いた装飾が 未だ残っている。B.C.495 年の作品で、アッテイカ地方の作業場から産出されたものではない。
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