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アクロポリス美術館
 
 

◎  No.0690 勝利の女神の大理石像

○ イオニア式柱頭の付いた 円柱の上に置かれていた。身体と足との 2 つの部分が残っていて、その間には 大きいギャップがあり、接合していない。頭も手も大きい翼も 残っていないが、背中には 翼の付いていたことを示す 刻み込みが残っている。外衣が重厚な襞状になって 両足の間に垂れ下がっており、これが土台の役割りをして、全体の像を支えている。胸は正面から見えるのに 足は側面を向いていて、その足は 土台から離れてしまっている。飛翔を表わす形としては この方が相応しい。若しこのニケ女神の像が、今ではその土台であったと考えられている円柱の上に 確かに置かれていたものであるとするならば、この円柱に残っている 彫り込みにから見て、この作品は 歴史上の人物、即ち カリマコスが アテ−ナ女神に奉献したものであるということになる。彼は 陸軍の指揮官であり、B.C.490 年に マラトンの戦いで死んだのであるから、この作品は その少し前のものということになる。

◎  No.0140 ドリア式のペプロスを着た アテ−ナ女神の 頭のない像

○ B.C.480 - 490 年の作品である。ゴルゴンの盾を着けている。身体の重みは 真っ直ぐに伸ばした左足に懸かっており、右足は膝の所で 軽く曲げている。右手には 槍を持っていて、左手はお尻に当てている。頭は極く自然に 左の肩の方に向かって 回っていたのであろう。

◎  No.0599 射手の像で、頭と手足のないトルソ像

○ 大理石で出来ていて、トルソ像の高さは 57 cm.であり、B.C.470 - 460 年頃に アッテイカ地方の作者の手で 作られたものである。アクロポリスの丘の北壁の近くから  1896 年に出土した。

○ 革の胴鎧を着ており、その下の縁は 線になって見られる。他の部分は 彩色で表わされていたものであろう。柔らかい革を通して 柔軟な胸部の 弛緩のない肉付きが、はっきりと認められる。左手を伸ばして 弓を持ち、その方向に首を回して 右手で弦を張って 胸に持って来ている。そのため腹部の筋肉が力強く動いている貌が、良く表わされている。足を大きく開き 恐らく右足を やや高く置いていたであろうが、上腿部から下は 今は失われてしまった。像は 首と手足は側面を向き、胴体だけが正面を向くという形で、作られていたものらしい。

◎  No.0699 若者の頭部像

○ B.C.450 - 440 年頃に作られたものである。パロス島産の大理石で出来ていて、像の高さは 21.5 cm.である。

○ 右肩の方に向かって 僅かに傾けているこの頭部像は、収蔵品 No.0698 のクリテイオス・ボ−イの像と同様、やはり 競技の優勝者の奉納した像であろうが、紛れもなく パルテノン年代の作風を示している。典雅で 繊細な顔立ち、瞳に着いた 彩色のはっきり残る眼、丸みのある デリケ−トな肉付き、筆触を暗示させる 軽くて柔らかい髪などの 生き生きとした出来映えの素晴らしさから見て、この像は フイデイアスの一門の 秀れた作家の手になったものであろうとされている。

○ パルテノン神殿の南側のメト−ペにあった 収蔵品 No.6511 の 若いラピタエ族の若者の頭部像と、好い対をなす逸品である。

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