○ 南 面 フ リ − ズ
◎ No.0866 右に進んでいる騎乗者
○ 不幸にして良く残っていないけれども、人物の輪郭を見分けることは出来る。
◎ No.0867 右に進んでいる騎乗者
○ 柔軟な平面が 巧妙に互いに入り込んでいる。
◎ No.0868 + 0869 右に進んでいる騎乗者の もう 2 枚の厚板
○ 余り良くは残っていないけれども、南面の騎乗者の厚板は 北面の対応するものと比較すると、他の作者の手になるものであることが知られる。北面のものは より柔軟であるが、南面の方は より真に迫っている。形態の着想が違っているのが 窺われる。
◎ No.0873 3 人の男の像
○ 右隅には 2 人の女の像がある。襞が様々である。
○ 東 面 フ リ − ズ
◎ No.0856 オリムポス山の神々
○ ポセイドン神、アポロ神、アルテミス女神及びアフロデイテ女神が 背のない腰掛けに腰を下ろしている。一番左では ポセイドン神が、上半身を裸で残したまま ヒマテイオンを着ていて、パンアテナエア祭の行進の方に目を向けて 行進が到着して ペプロスを持って来るのを待っている。絵で描かれていた その三叉の矛は、完全に消えてしまっている。アポロ神は頭を回して ポセイドン神に語りかけている。そのヒマテイオンは 柔らかい襞を作って 垂れ下がっている。頭髪には孔があいていて 金鍍金をしたブロンズ製の 葉で出来た花輪が、神の頭に留められていたことを示している。
○ アポロ神の傍らに アルテミス女神がいて、寛いだ格好で 兄の膝に凭れ懸かって、おとなしく腰掛けている。女神の頭髪は 結び上げられ 最も美しいクラシカル期の横顔を見せている。肩を見せて キトンを着て、右手でアフロデイテ女神に縋り付いていて、キトンの垂直と水平の襞が 素晴らしい。アフロデイテ女神の像は、その頭部の幾つかの部分、女神の着ているキトンとヒマテイオン、腰掛けている背のない腰掛けの部分といった 小さい断片が、目に見えるに過ぎない。女神の息子のエロス神が その膝に凭れて、庇(ひさし)を手に持っている。
○ この浮き彫りの一つ一つの部分を見ると、ポ−ズとか 着衣とかには 夫々差異付けがされ、人物像は特性が与えられ、細部はどこもここも総べて 完全に描かれていて、東面の最も美しい厚板の一つであり、この厚板は恐らく フイデイアスの最大の門弟であった 彫刻家のアルカメネスの手になる作品であろうと見られている。
◎ No.0877 3 人のアテネ人の 若い婦人の労務者
○ 行進が北面から東に回って来た所に 最初にあるのは、収蔵品 No.0797 の将軍の像である。併しその厚板は 現物が大英博物館にあり、ここには代わりに 摸作が置かれている。収蔵品 No.0877 の厚板が それに繋がっていて、若い婦人の労務者が描かれており、彼女らは 軽い下着のキトンの上に 重いヒマテイオンを着ている。手には 献酒の鉢を運んでいる。左端には 第 4 の人物の身体の部分が見られる。ゆっくりと厳粛に 前進している。軽い襞と重い襞とが 調和の採れた対照を見せている。
( 230 ) |