(訳注 594) シュリンクス syrinx 
      
      アルカデイア Archadia のニムフ Nymphe が 言い寄られて 身を守るために、その姿を変えた葦 reed を使って作った パン神  Pan の笛である。元々 鳥類の発声器官の<鳴管>の意。多くの鳥類では 気管が  2 本の気管支に分かれる 分岐点に位置し、  3 - 6 個の骨環と鼓室と呼ばれる共鳴装置を形成する。(哺乳類の喉頭に相当する) 
       
      (訳注 595) アマゾノマキ− Amazonomachy 
      
      アマゾン族 Amazon とギリシャ軍との戦闘 又はこの戦闘を主題とした浮き彫りなどの 芸術作品のことを言う。 
      (訳注 596) ケルチ Kertch 
        
        ソ連ウクライナ  Ukraina の クリミア半島 Crimea にある都市で、ケルチ海峡に臨む港であり、人口は 10 万人弱である。B.C.5 世紀には ボスポロス王国 Bosporos の首都であった。 
      (訳注 597) クラテル krater( page 44 - 45 挿絵  01 - 02 参照) 
        
        酒宴に当たり 葡萄酒と水とを混ぜる混合器として用いられた 古代ギリシャ・ロ−マの大甕で、広い口と 大きい胴を持ち、上方に伸びる把手が  2 つ付いている。 
      (訳注 598) アドニア祭 Adonia 
        
        猪に突かれて死に その血からアネモネの花が生まれたとされる シリア又はキプロス Cyprus 島の美少年 アドニス Adonis の崇拝の中心地であった シリアのビュブロス Byblos とキュプロス島で、毎年 この少年の死とその蘇りを祝って行われた祭礼で、中東地方の他 ギリシャ・ロ−マでも行われた。アドン Adon は セム語  Semitic で<主>の意である。 
      (訳注 599) ペリケ pelike( page 44 - 45 挿絵  01 - 02 参照) 
        
        古代ギリシャ・ロ−マの 両把手付きの壺か甕で、水などを入れる容器である。 
      (訳注 600) メガクレス Megakles 
        
        アルカメオニダイの一員で、B.C.6 世紀中頃 海岸党を指揮した。アテネの貴族キュロン  Kylon を殺害した時に 涜神罪を犯し、以後この家系に付き纏った。クレイステネス  Cleisthenes の父で、 B.C. 5 世紀初めに追放された。 
      (訳注 601) エウテユミデス Euthymides 
        
        B.C.6 - 5 世紀に アテネで活躍した陶工で 陶画家である。繊細且つ流麗なタッチで 人物や衣装を表現し、赤絵式陶画に 新しい画法を開拓した。特に人物表現に 短縮遠近法を用いたことで有名である。署名のある作品が  6 点残存している。 
      (訳注 602) キュリックス kylix ( page 44 - 45 挿絵  01 - 02 参照) 
        
        古代ギリシャ・ロ−マで酒宴で用いられた 浅くて口の広い鉢状の陶製の酒杯で、杯の内外は 陶器画の絶好の画面として使用された。皿状の胴部に相対して 両側に  2 つの水平把手が付き、多くの場合 台部に繋がる高い脚(時には 短くて低い脚)が付いている。赤絵式と黒絵式とがある。 
      (訳注 603) ヒポダメイア Hippodameia  
        
        アドラストス Adrastos の娘で ペイリト−ス Peirithoos の妻である。その結婚式に招かれたケンタウル族の一人が 酒に酔って 花嫁を犯そうとしたことで、ラピタイ族との間で 争闘が生じたとされている。 
      (訳注 604) ヒュドリア hydria( page 44 - 45 挿絵  01 - 02 参照) 
        
        古代ギリシャ・ロ−マの 水を運ぶための<水甕>で、首が短くて 胴が大きく、肩の直ぐ下に 持ち易いように 水平の把手が  2 つ付いており、他に 肩から口の直ぐ下まで跨がる 垂直の把手が  1 つ付いている。 
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