20世紀の幕開けとともにベルンのローパンに生まれたボゲリは、若い頃からフランス絵画をこよなく愛し、“ロマンドの画家”とよばれました。“ロマンド(romand)”とはスイスのなかでフランス語を話す地方のことです。
ボゲリは、バールとミュンヘンで美術の基礎を学んだのち、’28年にローザンヌに腰を落ち着けました。ここで樹木や岸辺等の風景画を明るい色調の中に柔らかで力強い筆致で描いた作品を生みだしました。ときおり北アフリカやヨーロッパを旅し作品を発表しましたが、その死まで60年間、ずっとローザンヌに住み続けました。
観る人々と感動を分かち合いたいという、ただそれだけの想いを込めて、彼は自由奔放さと高い芸術性を併せ持った作品を世におくり続けたのです。
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TOSHIO HIRAI