(本文訳注 193) デロス島 Delos ( page 27 図 01 参照 ) エ-ゲ海南部のキクラデス群島中のギリシャ領の小島で、面積 5.2 平方 km.である。神話で アポロ神とアルテミス女神の生地と考えられた聖地で、アポロ神の神託所としても有名である。ペルシャに対抗するため アテネを盟主として B.C.447 年に結ばれたギリシャ諸都市の攻守同盟 デロス同盟の中心地である。同盟の資金が この島のアポロ神殿に保管され、この島で集会が開かれた。小アジア沿岸地方のポリスまで加盟し、その数 200 にも及ぶ大同盟となったが、同盟内でのアテネの統制強化につれて 同盟はアテネ帝国と化し、B.C.404 年にペロポネソス戦争でアテネが降伏して 同盟は消滅した。
(本文訳注 194) カリア Caria ( page 27 図 01 参照 ) 小アジア南西部の古代の国である。マウソラスが王であった国で、首都はハルカリナソスである。神話では ミノス王から遁がれて来たミレトス Miletos が 同名の市を作り、カリア王のエウリュトス Eurytos の娘エイドテア Eidothea を娶って カウノス Kaunos とビュブリス Byblis の二人の子を生んだとされる。セレネ女神が エリス国の王エンデユミオン Endymion に恋した有名な神話は カリアのラトモス山 Latmos であったとされ、テセウスの 2 代前に 移住民を従えてデイア島 Dia に来住し、島の名を自分の名に変えた ナクソス Naxos もカリア人であった。
(本文訳注 195) トラレス Tralles 小アジア南西部の古代の国カリアにあった町で、現在名はアイデイン Aydin である。トルコ南西部のアクヨンカラヒサル Afyonkarahisari 付近を源流とし 西乃至は南西に流れて ミレトスの東でエ-ゲ海に注いでいる メンデレス川 Menderes の中流河畔に位置し、古都エフエサスの東方に当たる。
(本文訳注 196) アルメニア Armenia 旧ソ連南西部のアルメニア共和国(南コ-カシア地方 Caucasia の旧ソ連共和国)と トルコ東部のアルメニア高原とを中心とする地域の歴史的な呼称である。アルメニア人は 自らをハイ Hay(複数形はハイク)と呼ぶ。ナイリ人 Nairi 近縁のウラルトウ Urartu が最初の統一国家で、B.C.590 年メデイア Media に滅ぼされるまで続いた。その後長くアッシリア Assyria の属領で 一時独立したが、アレキサンダ-大王に敗れた。シリア王国のセレウコス朝の属領となり、更に大小アルメニア王国に分裂したが、B.C. 96 年頃にアルタシエス朝のテイグラン二世 Tigran Ⅱが小アルメニアを征服して 統一国家を建設した。その後も 時にはロ-マ、時にはパルテイア Parthia か ペルシャの属領となり、A D 4 世紀始めにキリスト教国となった。
(本文訳注 197) サタラ Satala 旧ソ連を構成した アルメニア共和国の首府エリヴァン Erivan 付近にあった古都である。 1939 年に大地震のあったエルジンジャン Erzincan 付近に位置している。
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