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(本文訳注 014) パンアテナイア祭 Panathenaea
<全アテナイ祭>の意味で、古代アテネの最大の国家的祭典であり、毎年行われるものと 4 年毎の<大パンアテナイア>とがあった。祭日はアテ-ナ女神の誕生の日である。ヘカトムバエオンの月 Hecatombaeon (現在の 7 月から 8 月に亘る)の 28 日に行われた。行事は、行列と供犠と競技とから成り、行列はパルテノン神殿のフリ-ズの浮き彫りに描かれている。競技の優勝者に与えられた両手壺のアンフオラは、今日 多数が出土している。

(本文訳注 015) オリムポス山 Olympus  (page 27 図 01 参照
北方から侵入したギリシャ人が 神の住居があると考えた山の名称であり、民族移動の影響で、この名の山が 各地にあった。結局ギリシャの北部テッサリ- Thessaly とマケドニアとの境の 連山の東端にある高峰のオリムポス山が この名を独占するに到った。ギリシャ神話では 白雲に閉ざされた山頂にある大宮殿に、主神ゼウスを中心に アポロ神、アフロデイテ女神、アレス神、アルテミス、アテ-ナ、デメテル、ヘラの各女神、ヘフアエストス、ヘルメス、ポセイドン、デイオニソスの各神が住んでいたと伝えられる。ギリシャの最高峰で、標高は 2918 m.一年の大半は雪を戴いている。

(本文訳注 016) クセノクラテス Xenokrates
凡そ B.C. 396 - 314 年。ギリシャの哲学者で、アテネでプラトンに師事し、スペウシッポス Speusippos に次いで  B.C. 339 年から同314 年まで、プラトンの創設したアカデミアの 3 代目の学長であった。プラトン主義の数学的、思弁的、神秘的傾向を強め、哲学を論理学と自然学(物理学)と倫理学とに大別する ストア学派 Stoikoi 以後の習いを始め、師のプラトンの思想をピュタゴラス派 Pythagoras に近付けた。著書は残存していない。

(本文訳注 017) カリュスト Karystos (page 27 図 01 参照
エウボイア島の最南端にある都市である。B.C.478 年の冬から翌春にかけて、ペルシャの侵略にそなえる自衛を目的とする ギリシャ各都市国家の都市同盟としてアテネの提唱で結成されたデロス同盟 Delian Confederacy に 加盟を拒否したため、アテネの攻撃を受け、後に強制的に加盟させられた。B.C.490 年に、同じエウボイア島のエレトリアと共に、ペルシャ軍に破壊された。

(本文訳注 018) アンテイゴノス Antigonos
B.C.3 世紀頃に 流麗な文体の伝記を書いたと伝えられるギリシャの著述家で、アテネのクセノクラテスと並ぶ博識であった。エウボイア島のカリュストの出身である。

(本文訳注 019) ペルガモン Pergamon (page 27 図 01 参照
トルコ西部イズミ-ル北方の小アジアの古代都市で、最も優秀な都市計画によって作られた。ヘレニズム期に興り ペルガモン王国の首都であった。急峻な山の稜線上に建てられて 市域は 9.2 ha.しかなかったが、都市国家への変化につれて B.C. 2 世紀前半には 92 ha.にまで拡大された。アレクサンダ-大王の死後 総督のフイレタイロス Philetairos が独立し、次いでアッタロス一世が領土を拡げて 小アジアの大部分の支配者となり、王号を称した。次ぎのエウメネス二世の時が最盛期で、ヘレニズム文明の中心地として繁栄した。B.C.113 年にアッタロス三世 AttalusⅢは 遺産として国土をロ-マに献じ、以後はアジア県の一部となった。716 年にアラビア人 Arabia により絶滅した。現在のベルガマ Bergama。高いアクロポリスの上には有名なゼウスの大祭壇、大劇場、デメテルの神域、体育場、アゴラなどの遺構がある。

(本文訳注 020) アッタロス一世 Attalos Ⅰ
B.C.269 - 197 年。ペルガモンの王(在位 B.C. 241 - 197 年)で、エウメネス一世 Eumenes Ⅰの息子である。ガラテイア人 Galatia(ケルト人 Celts)を撃退し、救主(ソテル Soter)と言われた。シリア王国から小アジアを奪い、タウロス山以西の小アジア全域を支配し、B.C.229 - 228 年には アンテイオコス・ヒエラクス Antiochus Hyelachus を破り、更にロ-マの対マケドニア戦争に 同盟者として協力して、王国の強化を図った。文芸を愛して、これを庇護した。

 

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